初めて読んだのは友達から借りた「永遠の仔」でした。
それ以来、新刊が出るたびに、ほぼ全作読んでいます。
これまでは「トラウマ」がテーマになっている作品が多く
泣きながら読んでいました。
今作の「ペインレス」は、今までの作品とは印象がかなり違っていました。
今作は「痛み」がテーマで、心の痛み・体の痛み、両方の側面が描かれていました。
印象に残ったフレーズ
- 長生きはする。でも、痛みには苦しむ
- 感傷に引きずらて、感情に押し流されて真の自立を果たせずに人生を終えていく・・・万浬(主人公)の存在が人間の枠を越えていくモデル
- 周りが押し付けてくる道徳や常識なんてものと関わりなく、欲するものを求め、必要のないものを遠ざける
- 心の痛み・・鬱積した怒りや嫉妬、見返したいというf区就寝、自分を認めさせたいという承認欲求、人々に肯定されたいとういう愛情の渇望
感想
主人公=万浬(心の痛みを感じない女医)は、美人でストイック・探求心旺盛で・ずば抜けた知力の持ち主
前半は、目的を果たすための彼女の手段を選ばぬ行為や、テロで身体の痛みを失った青年の経験の回想では、目を覆いたくなるようなエピソードがいくつもあって読み進めるのが辛かったです。
後半は、彼女のやさしい嘘に切なくなりました。
次回作は、どんなテーマなのか、いつ頃になるのか、楽しみです。